私たちについて

◼️MODRINAEを運営するソマノベース



「ソマノベース」は土砂災害を防ぐためにつくった会社です

みなさん初めまして。株式会社ソマノベースの代表 奥川 季花(ときか)です。

私は2021年に、和歌山県で「ソマノベース」という会社を立ち上げました。
「土砂災害による人的被害をゼロにする」ことをミッションに掲げ、
防災のための森づくりを進める会社です。

現在、28歳になりますが、2011年の9月。
東日本大震災と同じ年に、紀伊半島大水害が発生し、
私は故郷『和歌山県那智勝浦町』で、大きな土砂災害の被害に遭いました。

小さな小さな港町。都会に憧れていた私は当時、
「早くこんな町出て行きたい」と思っていました。

ですが、災害を経験して、復興のボランティア作業に参加しているうちに、
"地元"は自分にとってとても大切な場所であったことに気付かされました。


2011年9月に発生した紀伊半島大水害の様子 提供:国土交通省近畿地方整備局

現在、被害にあった場所の多くは整地され、土砂災害などなかったかのように見えます。でも、取り戻せない部分もあります。帰って来ない人もいます。

誰にも絶対に同じ思いをさせたくないと思って、2021年5月、私は仲間を集めて森づくりから災害を防ぐ会社を作りました。

私たちが暮らす日本には約1700個の市町村があり、
その92%、ほどんど全てに土砂災害危険区域があります。

令和2年の被害総額は6,600億円にのぼります。
翌年の土砂災害対策の国家予算は1,443億円計上されていますが、
その予算は全国の土砂災害危険区域の大きさに対して十分とは言えないと思います。

また、たとえ潤沢に予算があったとして、
すべての山や川にコンクリートの砂防ダムを作るのは、
自然が好きな私にとって望ましいことでもありません。


和歌山県田辺市の砂防ダム

被災してから、高校、大学と土砂災害を防ぐ方法を探し続けてきました。

その中で気づいたのが、"森づくりの重要性"でした。

土砂災害は、山が崩れ、土砂が民家を飲み込んだり、大量の土砂が流れ込むことで川が氾濫し、町を沈める災害です。

「山」を分解してみると、まず岩石や土砂が積み重なっており、その上に木々が生きています。

木の根っこには、杭のように土壌をつなぎ止め、固定する役割があります。

さらに、その木々が多様性に富んでいて、豊かな食性の森ができていれば、落ち葉や植物が雨を吸収して、保水し、洪水を緩和します。

つまり、豊かな森林の山を作ること、そうした山を適切に守り循環させることは、皆さんもご存知のCO2の吸収や、水質保全の他に、土砂災害の防止にも寄与しています。

ですが、現在の日本の山は、その災害を防ぐ役割を失いつつあります。

また戦後80年で木材はだんだん利用されなくなりました。

"林業"は木を伐って、販売し、そのお金から新たな木を植えて山を循環させていますが、

木材が使用されない結果、新たな山づくりに割くお金がなくなってしまいました。それどころか、伐ってもお金にならないので、ほったらかされて不健康な山も増えていきました。

今の多くの日本の山は、お金がないので、働く人も減る、人手がなく手が回らない、そしてまた不健康な山が増えるという悪循環となっています。

現在の日本では、1年間に伐る山のうち、3割ほどしか新しい山を作れていません。林業で働く人も60年前から16分の1にまで減ってしまいました。

今大切なことは、私たちが「木を伐って、使って、また育てる」という循環を支えていくことです。

楽しみながら、みんなで一緒に変えていきたい

2021年には、今の森林や、林業の現状を知っていただき、誰でも森づくりに参加できる未来をつくるために、『戻り苗』という観葉植物を作りました。

私たちソマノベースは、そんな日本の森と林業を、楽しみながらみんなで一緒に変えていきたいと思っています。

お届けするのは、古くから和歌山県に根付いてきた「ウバメガシ」や「カシ」のどんぐりです。

木を育てることに関わり、木や森への愛情が育まれ、大切な誰かとの間や、現在の自分と未来の自分との間を、木で繋げていく。そんなプロダクトです。

現在1000本の苗木が日本各地で育っており、
少しずつ、着実に未来の森づくりは進んでいます。


◼️私たちが目指す未来 - MODRINAEの理念 -


MODRINAE が目指すのは、人と自然が健康に共存できる未来。

私たちは長い時間をかけ、木や、自然との関係を築き上げてきました。

木を伐って家を作り、道具を作り、木を植えて次世代に森を繋いでいく。

日本の山々はそのような循環の中で大切にされてきたのです。
しかし、その循環はゆっくりと弱まりつつあります。

日本の木々は新たな素材や海外の木材の台頭によって居場所を失い、
私たちは「安いから」と、
どこからきた木材かわからないまま消費していく。

国産木材は商業的な価値も失い、
林業は衰退して放置される山林も増えていきました。

MODRINAE は、地域の林業家や事業者とともに森づくり、ものづくりを行い、
「苗を育てる」「木材を使うこと」を通して、
このブランドに関わる全ての森と人が健康な循環を生み出していきます。



MODRINAE は、人々と木々の繋がりを取り戻し、森だけでなくそこに携わる人も豊かになる新しい循環を目指しています。